東京高等裁判所 昭和61年(ネ)1675号 判決
6 請求原因6(本件土地及び本件建物につき被控訴人竜順が二分の一の共有持分権を取得したこと)について
(一) (訴外)金伯と被控訴人竜順の内縁関係は、金伯と控訴人順全との婚姻関係が存続していたのであるから、形式的には、重婚的内縁関係にあたるが、前示のように右婚姻関係が形骸化していた実態に照らせば、金伯と被控訴人竜順の右内縁関係は、通常の内縁関係と同様、婚姻に準ずる効力を認めるのが相当である。
(二) そうすると、内縁の夫婦においても、婚姻中の夫婦と同様、その経済的基礎は夫婦が協力して築き上げてゆくものであるから、内縁生活中に取得した財産は、たとえ内縁の夫婦の一方の名義で取得したものであっても、それを得るための対価などがその名義人特有のものであることが立証されない限り、実質的には、内縁の夫婦の共有財産であると解するのが相当である(法例一五条、韓国民法八三〇条二項参照。)。
(三) 本件において、金伯と被控訴人竜順の内縁の夫婦の取得財産の出発点ともいうべき第二の(一)の土地と同地上の建物の取得に当たり、被控訴人竜順の貢献が大きかったことは、先に説示した事実に照らし明らかであるが、被控訴人竜順は、本件土地及び本件建物を取得する数年前から稼働しなくなっていたものであり、かつ、金伯がパチンコ店の景品買いを始めて以来、本件土地及び本件建物を取得するまでの数年間における金伯及び被控訴人竜順らの家族の経済生活における中心は、金伯であったと認めるのが相当であるから、結局、本件土地及び本件建物の取得には、金伯と被控訴人竜順の双方の協力が寄与していたものであり、その寄与の度合は甲乙つけ難く、したがって、金伯の単独名義で登記された本件土地及び本件建物は、実質上、金伯と被控訴人竜順が平等の割合の持分権を有するものと認められる。
(四) そうすると、被控訴人竜順及び金伯は、それぞれ本件土地につき一二八四分の一六六、本件建物につき二分の一の持分権を取得したことになり、金伯の死亡により、その妻である控訴人順全及び控訴人承華が、それぞれ本件土地につき一二八四分の八三、本件建物につき四分の一の持分権を取得したことになる。
(大西 鈴木 山崎)